口臭とは口から吐き出される不快なニオイのことを言います。
主な原因は、虫歯や歯周病など口の中に潜んでいるバクテリアや細菌が繁殖する際に、悪臭のある物質を発生するためと言われています。
唾液は本来、口腔内の殺菌や洗浄するための効果がありますが、唾液分泌量が減少することに合わせて細菌が急激に繁殖して、口臭が強くなることがあります。
また、口臭の問題点としては、体臭と同じように悪臭を発している本人自身が、不快なニオイを発していることに気付きにくいという点もあります。
そして、デリケートな問題と考える方も多く、家族や親しい身内以外の方が口臭や体臭のことを本人に指摘するのは難しいです。
しかし、口腔内の清潔を維持し細菌を取り除いたり、口腔内を刺激して唾液量が増えても口臭が改善されない場合は、口腔内以外の原因が考えられます。
内臓疾患や便秘が原因で発生する口臭
糖尿病や肝硬変、胃炎などの内臓疾患が原因となり、独特な口臭を排出する場合もありますが、その大半が慢性的な便秘が原因と言われます。
いつも、食後や就寝前に歯みがきなど丁寧なオーラル(口腔)ケアを行なっているにも関わらず改善されない方は、これらの内容が口臭の原因となっていることが大半です。
慢性的な便秘状態で便が腸内に長く停滞していると、ウェルシュ菌や大腸菌など数々の悪玉菌によって発酵腐敗が進むため、臭い揮発性の有害物質を放ちます。
そして、このような有害物質は、腸壁から吸収された後で、血液内に溶け出しているのです。
わたし達が普段行なっている呼吸は、肺から身体全体に新鮮な酸素を送り不要になった血液内の二酸化炭素を口から排出しています。
この時、血液内には二酸化炭素以外にも腸壁から吸収された様々な揮発性成分が含まれていて、それらの悪臭を一緒に口から吐き出しているというわけです。
そして、飲酒運転の検査で呼気からアルコールを検出するのも、この仕組みを利用してます。
口臭を悪臭にさせている成分と悪玉菌
口臭を構成する成分には、硫化水素やジメチルサルファイド、メチルメルカプタンという3種類の揮発性硫黄化合物がありますが、便臭やオナラも同じ成分となっています。
また、これらの成分そのものの特性が、揮発性のため唾液に溶けやすく、舌苔(ぜったい)にも付着しやすいという特性があり、口臭だけでなく苦味として自覚する場合もあります。
もともと、便自体は強いニオイではあるものの、悪臭ではないと言われています。
しかし、オナラを我慢したり、便秘が慢性化した状態が長くなると、大腸内の便も発酵と腐敗が進むために悪臭が強まります。
このような腸内環境では、大腸が排便を促すための蠕動(ぜんどう)運動を起こしやすい酸性の状態から、運動が滞るアルカリ性の状態になります。
その不快な口臭のニオイ原因は、便秘の原因にもなっている悪玉菌の仕業ということです。
口臭原因が虫歯や歯周病など口腔内のトラブルなら、今まで以上にオーラルケアを行なうことで解消できますが、慢性的な便秘など内臓に関連することが原因なら、悪玉菌より善玉菌が優位な腸内環境に整えて、便秘解消を即効で行うことが重要です。
口臭スプレーなどは、一時的な制御に過ぎないので、根本的な原因となっている便秘を解消していくことが口臭の解消となります。