一般的に赤ちゃんは母乳で育てられる子、粉ミルクで育てられる子、そして、母乳と粉ミルクの混合で育てられる子に分類されます。
ここで言う赤ちゃんとは、生後1年未満の乳児を定義しています。
乳児期の栄養摂取として、生後5~6カ月以降には、離乳食が開始されるのが理想的だとされています。
母乳のお母さんは自分の便秘と産後ダイエットに注意する
また、母乳で赤ちゃんを育てている場合、お母さんが慢性的な便秘状態でいると、赤ちゃんにも良くありません。
まず、母乳はお母さんの体内の水分と血液などで生成されています。
しかし、慢性便秘の腸内では、溜まった便から発生するインドール、スカトール、アンモニア、硫化水素などから構成される、腐敗ガスが腸壁から吸収されて、血液に混ざってしまいます。
このような成分が混ざっている血液から作られる母乳は、便秘をしてないお母さんから作られる母乳より、どうしても赤ちゃんに必要な成分が減少するなど母乳の質が悪くなってしまいます。
母乳の質を下げないためにも、出産後に慢性便秘になっているお母さんは、赤ちゃんのためにも便秘を解消するようにしてください。
また、妊娠前の体型に戻そうとする産後ダイエットにも注意しなければなりません。
お母さんがダイエット効果を出すために食事制限などをした場合は、母乳の成分から赤ちゃんの腸内を整えて、善玉菌を活発にさせるオリゴ糖などが不足して母乳の質が下がってしまいます。
このように、お母さんの慢性便秘や産後ダイエットで、赤ちゃんの主食となっている母乳の質を下げないことも、赤ちゃんの便秘解消や予防だけでなく、赤ちゃんの成長に影響する部分なので注意してください。
生後半年までの赤ちゃん
まず、離乳食が始まる前までの生後半年頃まで、赤ちゃんは母乳や粉ミルクのみの栄養によって成長します。
この時期、赤ちゃんの便秘の原因で多いのが、母乳や粉ミルクの哺乳量不足によるものです。
また、母乳を与えてるお母さんは、赤ちゃんが1回で飲んだ母乳量の把握が難しいので、きちんと体重が増加しているか、確認してみることが大切です。
ただ『排便回数が少ない=便秘』と思われがちですが、哺乳量が少ないということは赤ちゃんのおなかに入る物も少ないので、そのまま排便回数も少なくなります。
そのため、同じ時期の赤ちゃんや母子健康手帳に書かれてる標準哺乳量と比べてみて、少ないと心配になるお母さんもいると思います。
しかし、排便回数が少なくても、赤ちゃん自信の機嫌も良く体重も増加しているようであれば、そこまで心配することは少ないと言えます。
どうしても、赤ちゃんの便秘や成長具合で心配ことがあるようでしたら、1ヶ月や3~4ヶ月頃の定期健診で、小児科の医師や保健師に相談されてください。
離乳食が始まる頃(生後5~8ヶ月)の赤ちゃん
生後5~8ヶ月頃は、ほとんどの赤ちゃんが離乳食を開始している時期で、早い子は、1日3回の離乳食になっている子もいるでしょう。
そして、生後1年未満の赤ちゃんが生まれて始めての便秘経験で、多くのお母さんが1番悩まされるのが、この時期と言えます。
離乳食開始時の便秘の原因としては、食事の中に繊維質が不足していることが多いようなので、対策として離乳食が始まったら、かぼちゃや人参など、食物繊維を摂り入れることも大切です。
また、果糖を含んでる果物を摂取することによって腸内の浸透圧が変化し、粘液の分泌が活発になることに合わせて大腸の動きも活発になり、排便が誘発させやすくなるため、便が出ない時は食事に果物を取り入たり、これらを含む飲み物を水分摂取で与えることも1つの方法です。
果物の中でも、善玉菌を増やす効果の高いオリゴ糖なども含まれてるので、離乳食が原因で便秘の赤ちゃんには相性が良い食べ物と言えます。
には水溶性と不溶性の食物繊維が両方とも含まれていることや、母乳にも含まれていて離乳食を開始すると赤ちゃんの腸内に、今まで経験したことがない色々な細菌が増えてきます。
そして、次第に大人の腸内環境に近づき消化管の発達も加わることで、便の量や硬さにも変化が見られるのもこの時期です。
離乳食を始めた頃は排便回数が多かったのに、途中から排便回数が少なくなることがあります。
これは、離乳食を始めた最初の頃は食べた物の大半が、そのままの状態で排出されてましたが、消化器官の発達によって、腸が食べた物の栄養吸収に時間をかけるようになったためです。
この時期も俳便の回数にこだわりがちになりますが、回数が減っても赤ちゃんの機嫌が良くて、楽に排便できていれば心配いりません。
離乳食が多くなる頃(生後8ヶ月以降)の赤ちゃん
生後8カ月以降になると、離乳食のペースも1日3回となり、粉ミルクや母乳からフォローアップミルクへ移行する赤ちゃんが増えてきます。
この時期の赤ちゃんは個人差が大きいですが、3日以上便が出ない状態が続き、赤ちゃんの様子も不機嫌である場合、綿棒浣腸やおなかのクルクルマッサージを実践してみましょう。
クルクルマッサージは、赤ちゃんに話しかけながら行なえばコミニケーションにもなりますし、行なうタイミングは、お風呂に入っておなかが温まっている時などが効果的です。
特に、大人でも便秘の人が多くなる冬は、ゆっくりお風呂で赤ちゃんのおなかを温めてあげて、お風呂上りも身体を冷やさないようにしてください。
赤ちゃんの善玉菌減少が始まる時期と便秘解消法
腸内の善玉菌は、誰でも加齢とともに少しずつ減少していくのですが、ちょうどこの時期から、善玉菌の減少が始まりだすこととも重なります。
そのため、赤ちゃんでも大人と同じように、腸内の善玉菌が不足している場合があります。
赤ちゃんの善玉菌不足を解消してあげるには、善玉菌であるビフィズス菌を増やす効果が高く、母乳にも含まれてるオリゴ糖の含有量が多い粉ミルクに変えてみたり、離乳食時期の赤ちゃんの場合は、果汁などの飲み物や離乳食にオリゴ糖を加えてあげると効果的です。
また、善玉菌が多いとインフルエンザやノロウィルスなどのウィルスへの免疫が強くなることや腸内のアレルギー物質を排出する効果が高まることにも期待できます。