産婦人科でのお話しになりますが、切迫早産などで入院された妊婦さんは、早産予防で1日中ベッドで安静を強いられます。
しかし、黄体ホルモンなどの影響で慢性的に便秘になりやすい妊婦さんが、身体を動かす機会が極端に減ってしまうと、体内の筋力まで低下してしまい、弛緩(しかん)性便秘を引き起こしてしまいます。
しかし、妊婦さんが下剤を使用しすぎれば赤ちゃんへの影響も考えられ、腸を動かす筋力強化のためといって無理な運動でもすれば、早産を招くことにもなりかねません。
では、なぜ水分摂取は便秘に効果的なのでしょうか。
腸内の水分量が増えることで表れる便秘解消の効果
一般的に、大人の場合は、便の中に70~80%の水分を含んでいる状態が良いとされています。
食べ物を摂取すると、胃や小腸などの消化器官の血管から栄養が吸収され、小腸末端の回盲部にたどり着いた便は、多くの水分を含んでいます。
次に、大腸を進んでいくうちに、大腸の血管が便の水分を吸収していくのですが、身体に必要な水分が不足している状態では、より多くの水分が吸収されます。
また、便が大腸に停滞している時間が長ければ長いほど、便から水分が吸収され続けてしまい、大腸内で硬いコロコロした便になっていきます。
硬い便は大腸内部をスムーズに動くことができませんし、排便時に肛門付近の皮膚を傷つけて、痔の原因にもなります。
このように、大腸内で便が硬くなることを未然に防ぐためにも、日頃から身体に必要となる量の水分摂取を心がける必要があるのです。
便秘解消や予防に効果的な水分摂取量と水分の種類
細かい計算では『自分の体重(kg)×40ml』が理想的だと言われ、体重が45kgの方の場合は、【体重:45kg×40ml=1日の水分摂取量:1800ml】となります。
そして、水分摂取で注意すべき点は、緑茶や紅茶、コーヒーなど飲料は、便秘解消や予防のための水分摂取にカウントされないということです。
それらの飲料は、利尿作用のあるカフェインが多く含まれていて、便は水分を含むどころか、ますます硬くなってしまいます。
そのため、便秘解消や予防が目的の水分摂取では、ミネラルウォーター、麦茶、スポーツドリンク等、配合成分にカフェインを含まない水分をこまめに摂ることが大切です。
また、ミネラルウォーターを選ぶなら硬水の方が、便秘解消や予防の方には相性が良いです。
硬水のミネラルウォーターは、微量ですが腸内の便を柔らかくする効果のある、マグネシウムやカリウムなどのミネラル分が含まれているので、次にミネラルウォーターを購入される時には、これらの成分もチェックされてみてください。
特に、マグネシウムは、最も女性が便秘になることが多い、妊娠期間中でも服用できる数少ない下剤で、妊婦さんの便秘を解消するマグラックス錠の主成分になるほど大腸内に水分を引寄せる効果があります。
さらに便秘解消の即効性を高める水分摂取法
また、起床時に冷たい水を1杯飲む習慣をつけましょう。
冷たい水を飲むことで、胃大腸反射という作用が起きて、食道や胃などの消化管が刺激されて、同時に大腸の蠕動(ぜんどう)運動も活発になり始めます。
ただし、大腸の痙攣が原因となっている痙攣(けいれん)性便秘の症状の場合は、大腸に刺激を与えてしまうことは、逆効果となることもあるので、注意してください。
ほかにも、今まで飲んでいた物から、ノンカフェインの便秘解消茶に変えることも、便秘解消の即効性や予防効果を高める1つの方法です。
便秘解消茶なので、当然、便秘を解消することを目的として作られてますが、便秘解消や予防の成分意外にも慢性便秘による肌荒れをケアする美容効果の出すための成分や温めて飲むことで、冷え性や低体温を改善する効果のある成分なども配合されている製品もあります。
このように、身体に必要な適度な水分摂取で大腸が動いて便意を感じたなら、すぐに排便する習慣は、便意の我慢が原因の直腸性便秘を予防するうえでも大切です。
また、便秘解消の効果を出すためと言って、下剤や腸内洗浄など身体に負担のかかる方法を選ぶより、こまめな水分摂取の方は負担が少ないだけでなく、バランス良く食物繊維を摂取するのと同様に大腸の働きを助ける根本からの便秘解消になります。
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