昔から牛乳は、栄養バランスの優れた食品として、子供の頃から飲用を勧められていた経験を持つ人は多いはずです。
また、ほとんどの小学校では、給食の時間に一緒に牛乳を飲まれていたと思います。
子供の頃に牛乳を勧められる、その第一の目的は、豊富なカルシウムを摂取して、身体の成長に大切な骨形成を促すためです。
そして、牛乳には胃粘膜を保護して消化吸収を助けたり、睡眠効果を高める効用があるほかに、便秘解消にも効果を発揮できることが分かっています。
たとえば、お酒を飲む前に牛乳を飲んでおくと、悪酔いや翌日の二日酔いが軽くなるという話や眠りの浅い人が、寝る前にホットミルクを飲んだら、眠りが深くなるなどの話を聴かれたことがあるかもしれませんが、牛乳にはこれらの作用があるからです。
牛乳を飲むとおなかがゴロゴロする原因は
朝起きてすぐの空腹の時に冷たい牛乳を飲んだら、急に下腹部がゴロゴロして不快になったり、下痢を起こすことがありますが、考えられる原因は2つあります。
1つは胃大腸反射で、冷たい物が胃の中に入った刺激によって、大腸が反射的に蠕動運動を活発にするためです。
もう1つは乳糖不耐症といって牛乳に含まれている成分の が、未消化のまま大腸まで達すると蠕動運動が活発化するためです。
そして、日本人の成人の約80%が程度の差こそあれ、この乳糖不耐症を持つとも言われていて、逆に、この特性を便秘解消に活かすという発想です。
しかし、これらの働きは、どちらかと言えば牛乳に含まれる成分による便秘解消効果でなくて、牛乳を飲んだことの刺激で物理的に表れる効果になります。
特に、胃大腸反射は、牛乳に限らず冷たい水を飲むことでも、同じ効果を出すことができます。
牛乳に含まれる成分と効果
牛乳に含まれる乳糖は、大抵は小腸でラクターゼという消化酵素で
に分解吸収されます。しかし、分解されず大腸まで達すると、大腸内の浸透圧を高めるために腸壁から水分を取りこむ働きをするので、この水分によって便が柔らかくなるという仕組みです。
また、一部の乳糖は腸内細菌によって、乳酸などの酸性物質に分解されますが、このとき腸内が酸性に傾いて悪玉菌が抑制され、今度は善玉菌が増殖で腸内環境が整い蠕動運動が起こります。
乳糖不耐症の場合、消化酵素のラクターゼ不足で分解されない乳糖が腸蠕動を活発化します。
その結果、腸内の水分量が大幅に増加してしまい下痢を起こします。
痙攣性便秘の場合では、腸が痙攣を起こしてる状態で、動きが過敏になっています。
そのため、胃大腸反射が起きるような冷たい牛乳を摂取することは、腹痛や下痢の原因になるので逆効果です。
乳糖は熱でも性質を変化させることはないので、牛乳は温めて少しずつ摂取すれば腸への刺激を和らげることができます。
牛乳は便秘解消の善玉菌を増やす働きを助ける
また、乳糖以外に牛乳には、腸内の善玉菌の一種であるビフィズス菌の栄養源となるオリゴ糖が含まれています。
このオリゴ糖により、腸内のビフィズス菌を増やし蠕動運動が働きますので、便秘の慢性化には積極的な牛乳の摂取が有効となります。
また、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を含むことでも知られているヨーグルトそのものが、牛乳を元に作られている乳製品なので、腸内環境を整えながらも善玉菌を増やすという点では、かなり相性の良い食品と言えます。
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