わたし達は会社の定期健診や病院の人間ドックなど健康診断の一環で、胃の形や影などを調べる検査のためにバリウムを飲むことがあります。
検査が行なわれる前日の夕食以降から絶食をして、検査前に発泡剤と一緒にバリウムを飲んでゲップを我慢し、回転撮影台で行なわれる大変な検査です。
これは、バリウムをレントゲンのX線を通させない、造影剤と使うため、右画像のように胃内部の全てにバリウムを付着させるためです。
何も飲まずにX線を胃に直接当てても、そのまま透過してしまうために造影剤を使用するのです。
そして、健康診断で飲んでいるバリウムは、硫酸バリウム・水・粘着剤で構成されています。
バリウムが便秘原因になってしまう理由は
これらの成分の中で注目したいのが、バリウムに含まれている粘着剤です。
粘着剤は大腸内で固まりやすい傾向にあるため、そのまま硬くなってしまうと、なかなか腸内を移動しません。
また、食べ物を食べた後の老廃物で、排出されてる便の比重は1よりわずかに大きいのに対して、バリウムの比重は4倍程度あり、この比重の大きさもさらに便秘を引き起こす原因となります。
単位体積あたりに占める質量が、便よりはるかに大きいわけですから、ずっしり重みがあって、バリウムを飲んだ後に胃が重く感じたり胸焼けをする原因にもなっています。
例えば、少し太いホース内を水や泥水は流れることができますが、そこに粘土を流そうとしても簡単に流すことは出来ません。
少しオーバーな例えではありますが、このように、バリウムは大腸に停滞して便秘を招きやすい物質だと言えます。
バリウムの便秘を予防・解消するには
通常、バリウムを飲んだ検査の後は、便秘予防のための下剤が処方されますが、普段から市販の下剤を常用して、薬の耐性ができている慢性便秘の人は、この下剤が効かない場合があります。
人によっては、直腸性便秘という症状のせいで、直腸付近に硬い便がすでに既に存在しており、その便を排泄しない限り、バリウムを排泄することが出来ません。
この状態を放置すると、腸閉塞(イレウス)を引き起こし、腸が機能しなくなるために酷い腹痛が生じることもあります。
では、バリウムによる便秘を予防するためにはどのような対策をとればいいのでしょうか。
一番大切なことは、いつも以上に水分を摂ることです。
成人が1日に必要な水分摂取量は1~2リットルと言われてますが、バリウムの検査後は、これ以上に水分を摂るように心がけ、少し便が緩くなる程度に水分量を調整してください。
また、冷たい飲み物には、消化管などに刺激を与える効果があって、大腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進してくれるので、できれば冷たい飲み物がオススメです。
白い便はバリウムが排泄され始めた証拠で、一定期間で白い便が排出された後、通常の便の色に戻っていれば、大腸内のバリウムの排出は終わっています。
しかし、バリウムを飲んだ後に色々な努力をしたにも関わらずに、2日経過しても、それでも、バリウムによる便秘が解消されない場合は、検査を行なった医療機関に早めに相談しましょう。
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