また、長期間、下剤を服用し続けると、大腸黒皮症(大腸メラノーシス)という大腸が黒く変色して、大腸が排便をさせるための蠕動(ぜんどう)運動が低下する症状も表れます。
長期的に慢性便秘の状態が続く人の場合では、体質など身体に合ってない下剤を使い続けている可能性や他の病気が原因で発生している器質性便秘の可能性もあります。
そのため、下剤を自己判断で使用を続けるのは止めて、早めに病院を受診しましょう。
刺激性下剤について
刺激性下剤の成分には、プルゼニド、アローゼン、ラキソベロンなどが使われています。
また、ドラッグストアなどで販売されている下剤のほとんどが、刺激性下剤です。
大腸内は、善玉菌や悪玉菌といった様々な細菌類が存在しますが、刺激性下剤は、この腸内細菌により活性化される特徴があります。
直接、大腸の粘膜やアウエルバッハ神経叢に作用することで、大腸の蠕動運動を活発にします。
同様に、浣腸も刺激性下剤の一種で、下剤の成分にグリセリンという潤滑剤も含まれてますが、これを薄めたものが、市販の浣腸です。
ただ、痙攣(けいれん)性便秘や弛緩(しかん)性便秘の状態で、大腸に刺激を与えることは、逆効果になることがあるので注意してください。
塩類下剤について
次に、
というものがあり、これは、腸内の浸透圧に働きます。成分には、酸化マグネシウムや硫化マグネシウムなどが使われています。
注意点としては、腎臓の悪い方や別の病気でビタミンD3製剤が処方されて服用されている方は、高マグネシウム血症などを併発する可能性があります。
通常、わたし達が食べた物は、胃でドロドロに溶かされた後に、小腸が栄養分などを吸収して、大腸で水分吸収をしますが、老廃物が便として排出されず大腸内に残ると、水分が吸収され続け便は硬くなっていきます。
その状態を防ぐ目的で、塩類下剤の作用は、腸管が便中の水分を吸収するのを抑制します。
また、体内の水分を腸内に引き出すことで、腸内の水分量を増やすという働きをします。
代表的な物では、妊娠中の妊婦さんの便秘解消などに処方される などがあります。
膨張性下剤について
まず、
は、腸内で膨張することによって腸の内容物を増やし、蠕動運動を促す働きがあります。成分は、フスマやオオバコなどの食物繊維であることがほとんどです。
また、ゴボウやおからなどの食べ物にも、食物繊維類が豊富に含まれているため、同様に腸内で水分を含み、便のカサを増しながら大腸に排便を促すための刺激を与えます。
そのため、膨張性下剤を服用される場合は、なるべく多めの水を使うのと同時に腸内の水分量を増やすためにも、こまめな水分摂取を行なうと、さらに便秘解消には効果的です。
また、成分の含有量などが異なるので下剤ではありませんが、食物繊維の成分で便秘解消効果と同時にダイエット効果を狙ったサプリメントに、膨張性下剤に類似した製品などがあります。
副交感神経刺激剤について
コリンエステル塩や塩化カルプロニウム、塩化アセチルコリンなどです。
は、自律神経の副交感神経側を優位に働かせる薬で、別名でコリン作動薬とも言われ、成分は、自律神経の構成と働きは、交感神経と の2つに分かれますが、交感神経の優位時は、消化管の動きは抑制された状態にあります。
一方で、睡眠中や気持ちがリラックスしてる副交感神経の優位時は、消化管の働きは促進され、蠕動運動も活発になります。
このような自律神経の働きに合わせて、副交感神経刺激剤が便秘解消効果を働きかけます。
精神的ストレスなどが蓄積して、自律神経の乱れなどが原因で便秘や下痢などの症状が表れる、痙攣性便秘の症状に処方されることがあります。
世代別・女性特有の便秘原因と即効性のある解消法
赤ちゃんの便秘解消と予防
母乳、粉ミルク、離乳食の赤ちゃんの便秘原因や解消法について
子供の便秘解消と予防
幼児から小学生の子供に多い便秘原因や解消・予防法について
思春期の便秘解消と予防
大人の身体に変化する思春期の便秘原因や解消・予防法について
更年期の便秘解消と予防
ホルモン分泌の変化や更年期障害での便秘解消・予防法について
高齢者の便秘解消と予防
体内の水分や運動不足による高齢者の便秘や解消・予防法について
女性に便秘が多い理由と対処法
女性に便秘の方が多い理由と女性特有の生理、妊娠、出産との関連