妊娠期間中の妊婦さんは、慢性的な便秘になることが多く、妊娠初期には黄体ホルモンの影響やつわりによる食事摂取量の不足や運動不足が原因だとされています。
妊娠後期は、増大した子宮が腸を圧迫することで、大腸の動きが鈍くなり、便秘になりやすいと言われています。
また、切迫早産などで入院した場合は、早産を予防するために絶対安静の指示が出ます。
そうなると、行動範囲がベッド上と居室内のみに制限されることも珍しくなく、運動不足による筋力の低下で、弛緩(しかん)性便秘に悩む妊婦さんが多くなります。
そして、妊娠期間中には、色々な薬の使用が制限されますが、もちろん、市販の下剤も例外ではありません。
マグラックスとは
病院で処方されるマグラックス錠は、200mg・250mg・330mg・500mgなどがあり、妊婦さんの体調を産婦人科の医師が診察して、便秘症状に見合った用量が処方されます。
マグラックスは塩類下剤と呼ばれる種類の下剤に分類され、主成分の酸化マグネシウムが、大腸内に水分を引き寄せる効果で、硬くなった便を軟らかくする作用があります。
そして、水分を含むことで全体的な便量を増やして、その刺激によって蠕動(ぜんどう)運動を促進させて便秘解消効果を出す薬です。
便秘薬の中には、習慣性がつくと体が薬に慣れてしまい、効き目が落ちてくることがあります。
しかし、酸化マグネシウムには習慣性などもほとんどなくて、ある程度、継続して飲み続けても便秘解消効果が落ちることがないというのが特徴です。
マグラックスの効果を高めるには
マグラックスを服用する時のポイントは、同時に水分を多めにとることです。
大腸内に水分を引き寄せる作用があると前述致しましたが、体内に引き寄せるための水分自体が不足していたら、マグラックスの作用が発揮されません。
そのため、例えば250mgのマグラックス錠が処方され、服用されてもあまり便秘解消効果を実感できないからと、すぐに1ランク上の330mgを処方してもらうのではなくて、マグラックス錠の成分の働きを助けるためにも、まずは、今まで以上に水分補給を行なってみてください。
このように、こまめな水分補給などを意識しているのにもかかわらずに、それでも、便秘が改善されない場合は、今現在服用しているマグラックス錠よりも、1ランク上の成分が強い物の処方を産婦人科の医師に相談されてください。
要約すると薬の成分を強くする前に、薬の成分が出そうとしている身体が本来が持ってる働きを水分補給で助けることで、薬の成分だけに頼らない妊娠中の便秘解消にも繋がります。
摂取する水分の種類では、カフェインが含まれるお茶や紅茶は利尿作用があるため、できるだけ
などを摂取するようにしましょう。マグラックスは、基本的に妊婦さんやおなかの赤ちゃんに安全性の高い薬ですが、人によっては便が軟らかくなりすぎて、腹痛などを起こすことがあります。
このような症状を感じた場合には、内服する量を減らすなど摂取量を調整する必要もあるため、心配であれば、早めに産婦人科医に相談しましょう。
マグラックスの副作用
しかし、マグラックスも薬品である以上、使用される妊婦さんの体質や生活習慣などによって、軽度の副作用が表れることもあります。
また、マグラックスは腎臓の悪い方やビタミンD3製剤と併用してる場合、高マグネシウム血症を併発することがあるので注意が必要です。
このような副作用がひどい場合も、妊婦さんの場合は自己判断で使用せずに、必ず産婦人科医に相談してから服用するようにしましょう。
マグラックスより身体に優しい便秘解消法は?
マグラックスは安全と言われても、どうしても妊娠中に薬を飲むことに抵抗感のある方や医師に相談して、用量など変えてもらっても副作用が表れる妊婦さんは、身体やおなかの赤ちゃんにもまったく負担のない、オリゴ糖食品を使った便秘解消を試されるのも良い方法と思います。
また、妊娠期間中は、サプリメント服用は厳禁と思われがちですが、配合されてる成分に合成の保存料や着色料が無配合で、食品から抽出された乳酸菌が主成分の物など、妊娠中も服用できるサプリメントもあるので、マグラックスの代わりに利用されるのも良いと思います。
妊娠中に限らず、食物繊維などを含んだ食品をバランス良く食べることやこまめな水分摂取は、便秘解消や予防には大切ですが、腸内環境を整える善玉菌を増やすことも同様に大切です。