妊婦さんが体調管理をされるうえで、注意しなくてはいけないことの1つに妊娠中毒症があります。
特に、妊娠28週(8ヶ月)~臨月頃の妊娠末期の妊婦さんに発症する事例が多く、発症した場合、なるべく身体を安静にすることと食事を低カロリーな物を中心に摂取する必要などがありますが、症状が重い場合は出産まで、そのまま入院治療になる場合もあります。
また、現在も妊娠中毒症という名で呼ばれていることが多いですが、2005年に妊娠高血圧症候群という名称に変わっています。
症状を自覚される場合に多いのが、靴を履く時にふくらはぎの浮腫(むくみ)を感じることや、妊娠7ヶ月以降からの2週間毎の定期健診で、尿タンパクや血圧の値が急上昇していることなどで発症が確認されることが多いです。
そして、妊娠高血圧症候群という新名称にもあるように、症状も高血圧に関連することが多く、赤ちゃんを守っている胎盤や子宮に必要な血液量の減少で、赤ちゃんの発育の遅れが表れたり、早産や死産、未熟児となるリスクが高まったり、お母さんの身体では、肺水腫や脳内出血などを引き起こすこともあります。
このように、おなかの赤ちゃんとお母さんの2人共に大きな負担になってしまう妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)なのですが、根本的な原因そのものが分かっていません。
色々な学説がありますが、今現在で分かってることは、ほとんどが出産後には改善されるので、妊娠期間の10ヶ月間に起こる急激な身体の変化に対して、妊婦さんの身体が適応できないことが原因ではないかと考えられています。
しかし、最新の報告では妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)を発症する原因の1つに、妊婦さんの慢性的になった便秘が影響しているのではないかとも考えられています。
妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)と便秘の関連
今までは、便秘とは全く無縁だった方も、妊娠をキッカケに慢性的な便秘になる方も多くなり、妊婦さんの3人に2人は慢性便秘の悩みを抱えていると言われます。
そして、妊婦さんの便秘が慢性的になる原因は、精神的な緊張感からくるストレスや赤ちゃんの成長で、内臓(大腸など)が圧迫されることなど色々ありますが、1番の原因は妊婦さんの身体が妊娠状態を継続させるために分泌される黄体ホルモンの影響です。
黄体ホルモンは妊娠中だけでなく、毎月の生理(月経)の排卵が終わった高温期から、分泌量が増加するホルモンですが、大腸内の便を柔らかくしている水分を吸収する作用があり、排卵後のタイミングで便秘になる方は、少なからず黄体ホルモンの影響があると言われます。
妊娠中の黄体ホルモンの役目は、子宮緊縮を調整し流産や早産を予防する働きを促すのですが、安定期の妊娠16週(5ヶ月)頃になると、赤ちゃんの成長や胎動が活発になることに合わせて、胎盤からも分泌されるようになり、最終的に臨月は妊娠前の状態と比較して20倍以上の分泌量になっています。
このように、妊婦さんは黄体ホルモンの影響などで、非常に慢性便秘になりやすい状態ですが、便秘が慢性的になってしまうと、どうしても身体に対する色々な悪影響が表れてしまいます。
特に、善玉菌より悪玉菌が優勢な腸内環境になると、大腸が不健康な状態のアルカリ性になり、アレルギーの原因物質アレルゲンなどの毒素を便と一緒に排出するデトックス(解毒)効果まで低下してしまいます。
また、慢性便秘で腸内に溜まった便から腐敗ガスが発生しますが、食べ物の栄養を吸収するのと同様に、腸壁が腐敗ガスまで吸収して血液中に溶け込み、口臭や体臭の原因になるだけでなく、血液をドロドロにすることで動脈硬化や内臓脂肪なども蓄積させてしまいます。
妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)の予防と便秘の解消
このように、妊婦さんの身体は10ヶ月という期間で様々な変化が急激に起こることに合わせて、慢性便秘になりやすく、その悪影響が妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)を引き起こすという説があるのです。
また、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)の発症や妊婦さんだけに関わらず、慢性的な便秘状態は肌荒れなどの美容の面でもデメリットなども作ってしまいまいますが、妊娠中の妊婦さんには、これらのデメリットは重くなってしまうので、普段からの便秘予防や便秘になっている場合は、即効で解消することが大切です。
まず、食生活をバランスの良いものに整えることが大切で、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)の症状に尿タンパク上昇がありますが、これは、肉類などの動物性タンパク質を過剰に摂取することが原因でもあります。
毎日の食生活でも動物性タンパク質などに偏らないように、便秘解消や予防に効果的な
などを摂り入れることが大切です。精神的ストレスや疲労を蓄積させない
また、精神的ストレスや肉体疲労の蓄積なども妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)と便秘の両方を引き起こす原因なので、普段からなるべく睡眠時間を取って、疲れた時は無理をしないで休養を取ったりストレスを発散させることも必要です。
しかし、休養が必要だからと必要以上に身体を動かすことを避けてると、急な体重増加や身体の筋力や内臓内部の筋力まで低下してしまい、大腸が排便を促す蠕動(ぜんどう)運動が弱くなる弛緩(しかん)性便秘を引き起こしてしまうので、適度に身体を動かすことも必要です。
ただ、すでに妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)と診断されてる場合は、何より休養を取ることが最重要なので、身体を動かすことなどは控えてください。
これらの点を意識すると、慢性便秘の解消や予防と同時に、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)を予防することにもなるのですが、普段感じたことのない身体の異変などを感じたら、早期発見・早期治療のためにも、すぐに担当の産婦人科医師に相談されてください。
どうしても、妊娠中の便秘が負担になる場合は、便秘解消の下剤を処方してもらえるので、その点も相談されてください。
という妊娠中でも服用できる、しかし、妊娠期間中に薬を服用することに抵抗感のある方、マグラックスと相性が合わなかった場合は、ヨーグルト以上に腸内の善玉菌を増やす効果が高く、妊娠中の便秘解消に即効性が高いオリゴ糖食品や妊婦さんも服用できる便秘解消サプリメントなど利用する方法などもあります。