日常で過剰なストレスを感じて続け便秘になることがありますが、これは、ストレスで自律神経のバランスが崩れることが原因です。
しかし、現代社会はストレス社会と言われるほどで、ほとんどの方がストレスとは無縁でいられません。
また、人間の身体に備わっている各器官の中でも腸は、大脳に続いて2番目に神経伝達物質が存在して『第二の脳』とも言われています。
そのため、ストレスによる便秘が悪化すると自律神経失調症の症状の1つでもある痙攣(けいれん)性便秘を引き起こすこともあります。
まず、自律神経とは、どのような働きをしているのでしょうか。
自律神経と内臓の関係
自律神経は、血管や内臓の運動をつかさどっており、その中枢は、脳内の視床下部に存在して、交感神経と という、拮抗する2つの神経系に分れられます。
ストレスを感じると人間の身体はストレスに負けないように戦おうと反応し、交感神経が活発に働き始めますが、この時、胃や腸などの消化管の動きは抑制されています。
それとは逆に、リラックスしている時は、消化管の運動も促進されます。
したがって、ストレスを感じている時は、腸の動きが悪くなってしまい、この状態が長く続くと慢性的に便秘になりやすいというわけです。
このように、大腸が排便を促す働きとは、大腸の蠕動(ぜんどう)運動と言われるものですが、この運動は自律神経の影響を大きく受けてしまいます。
しかし、常に様々なストレスにさらされる現代人の場合、交感神経の動きが活発になりすぎて、副交感神経とのバランスを崩すことがあります。
副交感神経の過緊張によって腸管の緊張が過度に増加したため、便が腸内に停滞している状態が痙攣性(けいれん)性便秘で、この便秘の特徴は、便秘と下痢を繰り返すことです。
特に10~20代で思春期頃の女性に多いと言われますが、最近は男性にも増加してきています。
『ストレスが原因の便秘』から『便秘がストレスの原因』にしない解消法
病院に通院した場合の治療としては、腸の運動を調整する薬を内服します。
この時に注意して頂きたいのが、市販の下剤で痙攣性便秘を解消しようとすることです。
市販の下剤の働きは、大腸に刺激を与える成分などで、便秘解消の即効性を出してるのですが、ストレスで痙攣状態の大腸に刺激を与えることは、逆効果になってしまうことがあります。
そして、根本的原因がストレスであることが多いため、精神科や心療内科を受診して、専門的な治療を必要とするケースも存在します。
このように、ストレスと便秘は関連箇所が多く、食生活や運動などで便秘が改善しない場合や、便秘と下痢を繰り返している場合は、ストレスによる便秘の可能性もあります。
また『便秘の原因はストレス』で始まりますが、そのままでは『便秘が原因のストレス』という悪循環になってしまいます。
ストレス社会と言われる現代では、子供達にさえストレスがあると言われるほどで、どうしても避けられないことでもあります。
だからこそ、どのようにストレスと向き合い、解消していくかが重要になってきます。
リラックスした時間は副交感神経が優位で胃腸の働きを活発に
趣味などの自分が好きな時間やリラックスできる時間を持つことで、その間はストレス原因を頭から追い出し、発散する事ができます。
そして、このような時間には、副交感神経の働きが優先されるので、胃腸など消化管の運動も促進されます。
新たに趣味を作るのが難しいと思われるなら、自宅の周りを気ままに軽く散歩をするだけでも気分転換の効果と同時に、大腸に良い刺激を与えて便秘解消の即効性を高めることにも繋げられます。
また、夜に目が冴えて眠れなくなったり、生活サイクルが夜型にならないよう注意されるなら、お昼寝も副交感神経を優位にさせるのと同時にストレス解消やリラックスに効果的です。
これらを色々と試して、自分で解決することが難しいと思った時は、他の病気が原因で発生する器質性便秘の可能性もあるので、その場合は、なるべく早く病院を受診して便秘の種類に応じた適切な治療を行うことが大切です。
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